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「何があっても見捨てない、
最期まで一緒にいて守る」
そう約束したのだという彼女が、酷く眩しくて。
その"守る"という言葉が、"殺したとしても"と、続くこと。
そして、眩しい笑顔の奥に影があることには気付かず。
それは、ナネッテが兄に対して、一緒に逝こうと決意したあの時と同じ……。
強くしなやかな心に、思わず目を細めた。
けれど、同時に。
相手は子供なのに、妬ましいと思った。
"まだ"守れることが、そして、守る、と"はっきりと"言い切れるその強さが憎かった!
まだ護られる年ごろであったのに。
まだ、両親に、護られなければならなかったのに!!
その強くならなくてはならなかった理由に、ナネッテは目をそらしてしまう。
光と影、影は闇を連れてくる。
心に穿たれたその闇に、ガートルードの笑顔は……眩し、すぎたのだ。
表情には出していないから、ばれていないと思うのだけれど。 ]