……どーだ。
ちった、話聞く気に、なった、か。
[獅子が動きを止めた、と認識した所で爪と牙を離して問う。
対する獅子が上げたのは、笑うような唸り声。
一度は下がった小鬼や餓鬼がいきり立って奇声を上げるが、獅子は己一振りと、諌めるような唸りでそれを制した]
『……揺らぎを帯びつつ、揺らぎなきもの。
どうやら、そなたらは災禍を齎すものではないよう……だな』
だから、最初からそうだ、って、言ってんだろ。
[聞けよなー、とぼやけば獅子はまた、笑うような唸りをあげて]
『しかし、何故この地に異邦人が訪れたのか。
まずは、それを聞かせてくれぬか』
[話を聞くという意思を示した後、鷹揚に尻尾を振った。**]