─ 地下 ─
[ 耳に何かの息がかかる気がする。
恐れが暗闇に魔物を生んでいるのかもしれない。でも、本当に何かいるのかもしれない。
経験の浅さが、恐慌になって。
ユーリエはやみくもに走り、何かにぶつかっては、再び走った。
しかし、慣れない靴が床に引っ掛かって、
ついに。 ]
きゃあっ!
[ 転んだ。
床に長い銀髪が広がる。 ]
……っ、
[ なんとか身を起こす。
へたりこんだまま、シスター服の裾を直した。
闇の中で、まっしろな姿は、暗闇を見る目にはよく見えるだろう……。 ]