― セーファ ―
[戻る途中で馬を借り、歩くよりはフランツの護衛を頼りにしながら一足早くセーファへと戻る。
伝令により待機していた医者が左腕を見るなりじと目になったのは、以前より知る相手が故]
「年甲斐もなく無茶しやがったな?」
そう言うな、武器が勝手に動くなんざ普通思わねぇだろ。
[不可抗力だ、と言い返しながら、下りろと言われて下馬し、先ずは解毒治療を受ける]
「奥方が生きてたら、はっ倒されてたんじゃねぇか」
違いねぇ。
………痛ぇぞ。
[軽口の応酬と平行しての治療はわざと痛みを伴う方法で行われた。
ちったぁ反省しろ、と言う想いが込められているのは分かっていたが、知らんふりしておいた]