[ それは、先刻投げ捨てたはずの風の盾が、千と別れて風の刃に変じた姿。大蛇の束縛から逃れようと、咄嗟に盾を刃に変えた、あの暴走した魔法を、意志によって編み直し、作り替えたその結実だった ][ 風の刃は、先より小さく、細かいもので、大きな怪我には至らない筈だが、恐ろしく数が多く、その飛来する範囲も広い。風の乙女達の加護があっても、擦り抜ける数はそれなりのはずだ ]