― カレン ―
[ファミルが退き、広場に現れた大道芸の幻もやがて消えた。
我に返った民衆は、狐に化かされたようにぽかんと首を捻りながら
ぞろぞろと家路につく。
今回の魔物との一戦は、相手にとってもカレン東の本陣が
主点だったようで、警戒していたカレンへの陽動攻撃は
結果的にトロールの牽制程度>>1:475だった。
創っておいたストーン・サーバントとトロール、
二種の巨体が争った痕が大地のへこみとしてあちこちに残ったが
人的被害は最小限に抑えられた。
寧ろ、被害はこれからが本番――…というところだろう。
やがて夜は明ける。
…、新しい時代の予感を裡に含んで]