[こつこつ、と拳で頭を叩く。先の怒りは、相手に向いたものだけではない。あの男の存在に竦む体、怯える自分の心が苛だたしかった。未だに、あれが自分の父かもしれない、と淡い期待を抱いていることにも。] ……ぶちのめす。[まだだ。まだ足りない。何が足りないのかも自覚できていないままに剣を取り、素振りを繰り返す。力が欲しかった。力があればなんとかなる。そう思っていた。]