……ディーター。
[空気が、変わった感じがした。
いや、気のせいなのだろうが、自分にはそう感じた。
村長と共に戻ってきたディーターは、こちらに気づいているのかいないのか――奥に引っ込み、煙草をくゆらせ始める>>153。
鼻をつく、酒の臭い。
酒浸りというのは、やはり本当らしい。
二人で最後に飲み交わしたのは、遠征先でのことだ。
同時期に入隊したが、それまで同じ隊に配属された事はなかったから、懐かしさもあって随分と楽しく飲んだ。
そしてそれは、最後の戦いの時でもあった。
ひとり、佇むディーターに、声をかけられずにいた**]