― 野営地 ―
へいへい、お帰り。
何も無かったようで何より。
[ちらと日の高さを確かめ、相方の帰還を迎える。
そろそろ空の色も変わろうというところ、想定していた時間よりも少々早めか。]
おー、美味そうなものばっかだな。
これは……へぇ、芋?
こんなのも自生してんのか。
[釣り針を持って行ったから魚目当てかと思えば、
それだけではなく植生の見極めも行って来たらしい。
ふと収穫物を入れていた袋のようなものを見れば、見覚えのある布だ。
枕の使い道、これは思いつかなかった――パン屑を落として帰り道の目印をつける童話があった気がするが――]