[彼の撃つ弾が掠めるたび、 新たに傷口から花が開きそれを塞ぐ。 痛みがないわけじゃない。 それでも擦り傷なら、止まらない。 ダンっ!と強く床を蹴った。 相手に向けて急接近し腕を振りかぶる。 それがそのまま相手の頬を殴り飛ばせたなら、 相手は気付くだろうか。 気付く前に、気を失ってしまうだろうか。 壁を凹ませ砕かせるほどの勢いのそれが、 かつての娘の力などではない事に]*