[口付けを落とした掌はきっちり毛布の中へとしまい込み、素知らぬ顔をして。どれくらい、そこでぼんやり過ごしただろう。
>>119目を覚ましたルートヴィヒに名を呼ばれれば、視線を向けて、小さく笑った]
ロー・シェンにせくはらされそうになってにげてきただけ。
ただの風除けだと思って、気にせず寝てて良いよ。
体調、よくなそうだし…
……転んだ?また、随分と器用な転び方をしたものだね。
[そこに傷口があると知りながら、肩口を指先で意地悪くつつく。
薬の臭いの出所から、何処を怪我して居るかなんて簡単に判る。
眠っている間も無意識だろうが庇っていたから間違いないだろう。
心配を掛けまいとしている?
否、誰かを庇って居る?
自身の身に危害を加えた相手を庇うなんて……
「皆」の中の誰かだと、言って居る様なものなのに…]