人狼物語−薔薇の下国

68 Es2nd― 緋の世界に滲む月 ―


気儘な猫 カレル

[>>155幾ら修復するとはいえ、流石に急所だ。ぶわり、冷えた汗が滲み身を竦ませるも、それも一瞬の事。
生憎とそんなに可愛げのある身体ではなかったようで、溢れた傍から柔らかな舌で拭われる、その圧倒的な喜悦の方がすぐに勝った。

どくどくと、脈動を打てつ感覚が昂ぶっている為か激しい出血の所為か、その境目がもう良く判らない。

恍惚の眼差しが、新しく溢れ出したばかりの血の色に染まる舌をうっとりと眺めて、こくり、咽喉を鳴らした。ねとりと質量を伴って巧みに追い上げる彼の舌へと向ける、その視線が鬱陶しかったのだろうか?ふと、向けられる視線と視線が交わる。

自分の向こうの誰かではなく、正しく自分に向けられるそれに気付けば、何処か困ったように、僅かな苦みを含ませて笑って、掌で彼の視線を遮った]

「俺」を見なくて良い、…――必要ない。

(164) 2013/10/08(Tue) 10:34:12

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