[足音を潜め、墓地の方へと近寄った。乱戦中の彼らを尻目に、木陰に身を潜め、ヴァイオリンを構える。奏でる旋律は、魔力を帯びたそれではない。夜霧 静寂がかつて、来島 ショウへと聞かせた事があるヴァイオリンの練習曲。数小節だけ曲を弾いてから、木陰から飛び出し走り出した。ちらり、とシグルドへ視線を投げて、付いてくるようにと視線を送る。彼はセルウィンに気付くか、それとも――*]