[そのときです。
肩にとまった鳥さんがぴぃぴぃと鳴き始めたのは。
ただの鳥の鳴き声のようでしたが、ようく耳を澄ませるとその意味は伝わってきました。]
鳥さんも、血を吸いたそうにしています。
ただし、あの猫の人みたいに無闇に襲うという風には、ローレルの目には見えませんでした。
しかし、どうやって鳥さんが血を吸うのでしょうか?
うさぎのちかちかさんは囓ると言っていましたが、鳥はつつくのでしょうか。
[ローレルはしばらくの間、首を傾げながら考えていました。]
助けてあげたいのはやまやまだけど、血をあげるのって何だか怖そうだし……食べ物でどうにかならないのかな?
[何と言っても、ローレルは吸血鬼に血を吸われた経験がないのです。
誰にだって、血を提供することには気が進みませんでした。]