[しかし、ヤバい奴らがいて、早く非難しておけば、こんな目に遭わなかったのにと、心配が伝わって来たならば。]
……ごめんなさい。
でもね、緊急事態のときは、私の立場が
軍部に切り替わるから、避難誘導しないとだめなの。
……ちゃんと、誘導してたのよ?
[多分どこかのタイミングで自分が、軍属だということは明かしていただろう。
それでも、どうして軍属であるのかは、笑ってごまかして伝えていなくて。
……今回もそれで誤魔化されてくれないかな?と、彼の顔をチラリと伺うものの。
(やっぱ、無理よね。)
決して声を荒げたり、怒ったりしない。
普段と同じ調子で、でも柔らかい真綿で退路を断つかのように、じわりじわりと問い詰めてくる。>>134
彼を心配させたのだと思えば、決して嫌なことではないけれど……。
……でも。]