[ そんな宣の後、長柄刀をトールに手に返すと、公子は改めて守人を名乗る騎竜師に向き直る ]
これでお前の望む力と意志は示せたと認めるのだな?
[ 鋭い視線と声音は、戦いが始まる前と少しも変わらない ]
ならば先に進ませてもらう、が、ひとつ確かめさせてもらおう。
神代の呪いを受けた厄介者とやら...それに近付けば只人は須く無事で済まんということか?
もしそうであるなら、この先には俺と、トールだけで進む。
[ 又しても背後から自重をと叫ぶ声が上がったが、今度は公子は一顧だにしなかった ]
戦いに行くのでも命を捨てに行くのでもない。ただの調査だ。引き止めるしか能が無いなら、黙って待っていろ。
[ 守人に、このような形で力を示せと求められた時点で、ただの調査で済まない事はある意味明白だったが、有無を言わせぬ口調に、周囲は押し黙り、次いでぼそぼそと頭を寄せ合って相談らしきものに突入した ]