諸外国の中には、これを機に我が国を窺うものもあろう。……付け込まれてはならぬ。よろしく、対応をするように。[それだけ言えば、彼が下がるというのに呼び止めることはしない。そうして三々四五、人々が王の間より退出するならば最早呼び止めることもしない。人々の中、一人立つウェルシュは玉座を見上げた。そこにこれまであった、確かなる存在はいない。音にならぬ、深い息が零れた*]