[ヨアヒムから視線を外した。人間は恐ろしい生き物だとディーターが言ったのを聞いた。>>154
ヨアヒムが何か言ったのもクララは敏感に聞き取ったけれども、一体誰の事を言っているのか分かる筈も無く。>>158]
ごめんなさいね、ヨアヒム。
貴方の言う通り、わたしは余所者だから分かんないのよ。
余計な事を言ったわね。
…貴方まで嫌われたらかなわないわ。
[そう言ったクララの脳裏にはペーターの顔が浮かんだ。確か、ヨアヒムはペーターともパメラとも仲が良かった筈だった。
だからどうしたという訳でもないのだけれど。
そして、それっきり黙ってしまい。
クララはヨアヒムとディーターが資料を読み終わるのを待ち、図書館を閉めようとしただろう。**]