あー…成る程ね。お前ならさもありなん。
[ 男はカサンドラの言葉に大きく頷く。大体カサンドラの言った通り,その少女の思いとカサンドラの思いがパズルのピースみたいにハマって,取れなくなったのだろう。 ]
まぁ,一番簡単な方法は,本当にこの世の悪を滅ぼしてみる事なんだがな…それだと時間がかかりすぎるし,実現するかもわからねぇ。
ていうか,そもそもお前が世界平和を望んで召喚したんだろ?ということは,そのガキにはそれに応える力が少なからずあるってことだ…。もしお前が,その力に多少の未練を持っていて,それがお前ら二人の思いの結合をより強力にしているのであれば,その力を何とかお前のものにしなくちゃならんな♪実験なら手伝うぜ!そのガキが生きてる保証はないがな♪
[ 男はヒヒヒと,愉快そうに笑う。カサンドラと違って,男はそんなお人好しではない。あくまでも、欲に忠実。自分の興味探究心を擽るものに対しては,骨の髄まで調べ尽くさないと気が済まない。
男はそこまで言うと,それか…と言葉を続ける。 ]
それか,その召喚したガキを俺に譲るかだな♪
俺が今研究してんのは,魔法や魔術の乗っ取りなんだよ。
あー,言葉だけじゃわからねえか…例えば相手が使おうとしている魔法陣があったとして,それを瞬時に書き換えて自分の魔法陣にしちまうってことだ。
まだ研究は完成してねぇが,もしそれが成功すれば,その応用として,ワンチャンねぇかな?
そうすれば,そのガキはお前の思想からバッチリ解放される。召喚主が変わるからな!
[ 男はそう言ってカサンドラの方を見る。どちらに転んでも,男の探究心は満たされるだろう。男は面白い玩具でも見つけたかの様に,にんまりと笑っていた。 ]