[二人のそっくりのアンドロイド達には、少し驚くが
“ジークムント”という名称と説明>>152に頷いてから]
――…え?
……ああ、バレていたのか。
[片方のジークムントからの思いがけない言葉>>162に、
金色の瞳を瞠る。
10年前、この研究所を飛び出した後。
博士が気まぐれのようにくれた“アングラメル”の姓も、捨てた
今の “スコグカット”は、5歳の時に亡くなった母の姓だ>>42。
とはいえ、他にも人間の認証方法はある。
アンドロイドの様子から。博士は少なくとも、
アデルを追い返せとか、2度と研究所には入れるなとか、
その類の命令をしてはいないらしい、と考えれば。
一瞬だけ身構えた後、少しほっとして肩の力を抜いた。]