― 公国拠点・臨時執務室 ―[兵士らにフレデリカを迎えに行かせ>>110、暫し。室内は沈黙の中にある。男は執務机の傍らに佇んでいる。机の上には、フレデリカの遺した認識票、銃、そして指]……、[そっと手を伸ばして、認識票を掌に握りこんだ。銀についた鈍い汚れは彼女の血か。小さくて硬い金属片を、手に握り締めたまま瞑目する]