― →医務室 ―
[ ヴィクトリアに声をかけたなら、
――…此方を振り向いた彼女は、
そこに誰か…カレルの姿を期待していたのか、
何処となく落胆の色を顔に乗せている気がした。 ]
とりあえず、深呼吸でもしようか。
吸って、吐いて――、はい、落ち着いたね。
それじゃあ、そこの…ベッドにでも座って。
[ 一先ず、冷静さをかいているのは確実なので、
深呼吸を促しながら医務室の扉を開け、中へ促し
簡素なベッドでも椅子代わりに勧めれば
学者自身は医務室内に置かれた椅子に――腰掛けた。 ]
先に言っておくけど、君のご主人は無事だよ。
医療的な措置はもう済んでいるし、
…安静にしている方がいいけど、動く事もできる。
それで、人と会うからと、
さっきメイン・サロンに行くカレルを見送ったところだ。
[ 一刻も早く知りたいのであろう彼女の"主人"について、
彼女の様子が落ち着いたようであれば、先んじて伝えて。 ]