[――男は衣服をすべて脱ぎ捨てて、鏡の前に立つ。地球系人類の20代後半程度に相当する肉体年齢の男が、そこにいた。研究室に篭ることが多いために色白の、肉付きは痩せ型と貧相の境目といった具合。ストレートの頭髪は黒く、束ねて背に垂らした一房だけがひどく長い。鏡のなかのその男に生じる、如何なる変化も見逃すまい。そんな決意とともに、男は、用意した品々を、順に喉の奥へと流しこんだ]