あー、参った...
[ 何とかドックへと機体を戻した後、整備士長に頭をはたかれてから(それ以上何もされなかったのは一応整備士長なりの気遣いらしい...後でこってり絞られそうではあるが)男はパイロットスーツも脱がないままで、ドックの片隅の長椅子にどさりと腰を下ろした ]
『大丈夫ですかー?少尉』
あー、さすがにちょっと堪えたわ。
[ 声をかけてきた整備士にひらりと片手を振るだけで、身体が悲鳴をあげる ]
(これ、やばいかも...)
[ 下手をすると一度意識が落ちるかもしれない、と、端末に手を伸ばす。ミリアムのアドレスをタップした時、当の本人の姿がドックの入口に見えて、手を止めた ]
ミリアム...
[ どこか、ほっとしたように零れた声は、彼女に届いたろうか?* ]