……ここで、勝てねぇようじゃ。絶対、絶対、越せねぇんだよ……。[小さく、小さく呟く。自分の中で、超えるべき存在と見なすもの、ふたつ。今はその足元にも及ばぬ、気高き獣たち。霞む記憶の中の白と、身近な漆黒が刹那、過って、消えて]それに、ここで引いたら、先に進めねー、しっ……![次に浮かぶのは、今、なすべき事。やり遂げる、と約束したそれを果たすためには、こんな所で止まっていられない、から]