…・・・・[そうして、抱きしめるフィオンの体から、熱が失われていくのを感じながら。ぬくもりが消えきらぬうちにその体を離し、そっと横たえた。額に掛かる前髪を撫でようとして…自分の手が血に濡れていることに気付いて、ぎゅ、と掌を握り込んだ。胸に付きたてられているナイフを、抜き取る。傷口は聖痕があった場所。子供の頃、勇者の証だとお互い見せ合って、笑いあった。その時と同じように、右掌を傷跡…聖痕に合わせる]……。