……シエル!?[突然の事に戸惑う間もなく、天龍の声がそれに重なる。とはいえ、そちらを見ている余裕はなくて] 『ある、ある』 『たすけないと、たすけないと』[ぴぃぴぃという仔竜の訴えが、意識に言葉を結ぶ] 助けないとって……何を、ですか? 『あれ』 『わからないけど、ないてるの』 『だから……』[助けないと、と訴える仔竜の様子に戸惑いつつ、鈍色の影を見やれば千切れた部分が妖魔と転じる所で]