人狼物語−薔薇の下国

489 グラムワーグ・サーガ4


天の子 マレンマ

[繭は静かに箱舟を包んでいく。
同時に、箱舟の中もまた静寂の眠りにつき始めた。
真白い揺り篭となった繭は空を漂いながら、眠る人々の心を洗い、無垢なる人としての目覚めを待つことになるだろう。

───そんな奇蹟の顕現に、僅かな異物が混ざった。>>159

天の子を貫いたと同じ刃で流された血は聖句の糸を翳らせる。
宙に浮かぶはずだった繭から根のように灰色の糸束が伸び、
大地と繭とを繋ぎ止めた。

それが何を意味するかは、今は誰にも分らない。]

(163) 2017/11/05(Sun) 18:33:48

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