[双子を引き裂いた運命のあの日から、ずっと封印していた想いがある。
それは家族を探すこと。
故郷が滅んだことは聞いていて、生き残りを探すのは絶望的だろうとも言われた。
自由に動けなかった5年間で、人伝に家族を探してもらったことはあったものの、何も手掛かりが得られず諦めたのだ。
その中で唯一確信があったのは、片割れの生存。
なに、という根拠があるわけではない。
漠然とした感覚的なものだ。
そう信じたいという想いも多分にあったことだろう。
動けるようになった時に、いつか逢えればいいと、そう思っていた]