フィオン・オルブライト外務長官。
[呼びかけたのは、未だ年若い外務長官。
外交の話をする折に、彼とはたびたび言葉交わしたことがある。
怜悧な人物だと思っていた。興味失せたかのように、立ち去らんとする彼を呼び止め視線を向ける。]
聞いての通りだ。
どう決着するにせよ、これより諸外国の人間も多く我が国を訪れよう。委細遺漏なきよう、対応をするように。
何ごとかあれば、私と兄上に報告を。相談をしてくれても構わない。
[自分にするように。とは言わない。
文書の公正さが確保されぬ限り、…皆が納得をせぬ限り、兄と自分は同列なのだ。]