……所詮、吸血鬼か[闇の中、風に乗せるように溢した言葉は己自身に向けたもの。諦めのように吐いたはずの言葉なのに、思った以上に心が軋み、往生際の悪い自身に力なく嘲笑いが漏れた。現世の人にとって“吸血鬼”が血に狂う悪鬼にしかなれないなら……彼女が、彼女だけが、特別だったのだろうと。]