― 氷竜軍・軍営 ―
[──それから。
宣言通り、殿を務めて軍営へと帰還して。
同調解除の衝撃に、崩れそうになるのは、ぎりぎり、抑えた]
……ん、や、大丈夫だ。
俺より、ルアル、手当てしねぇと。
[自分が受けた痛みは同調によるものが多く、その源は褐色が受けた傷。
それを放置して休む事はできぬ、と手当てをして]
ん……いっつも、ありがとな、半身。
[羽の手入れをしてやりつつ、小さく囁きかける。
これに、影竜はきゅぃぃ、と小さく鳴いてふるふると首を横に振った。
少年を見つめる紫紺の瞳は、ごく穏やか]