人狼物語−薔薇の下国

329 絶海島奇譚


准尉 ゾフィヤ

[実際、爪よりも身体を苛んでいたのは、身内に抱えたような鉛の冷たさと重さだった。地下からの階段を駆け上がった後、はぁ、と一つ息をついた。カークもすぐに上がってくるだろう、リネン室に身を隠すように寄せると、しゃがみ込んで息を整えた。]

(貧血かしら…)

[額に手の甲を当てると、身体は冷たいのに、じっとりと変な汗を掻いていた。ゆっくり立ち上がる。船はまだ来ない。指示に従うだけの自分より、上官たちの責任の重さは如何ばかりと思うと、これくらいの事で更に負担を掛ける気にはなれなかった。]

[リネン室向かいの洗面室に入り、「平常の」顔を確かめると、幾度か頬を叩き、玄関方面へ足を向けた。]

(162) 2015/04/26(Sun) 23:28:22

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