[あのな…ともう一度説得しようとした所で、少年の後方から慌てた様子で駆け寄って来る女性の姿を視界に捉える。
きっと、この子供の母親だ。]
『まーくんダメじゃない1人で行っちゃ!
すみません、うちの子がご迷惑を……
ありがとうございました!』
いやいや、それは別にいいんだけど
ちゃんと父親の顔覚えさせな?
また1人でふらふら付いて行っても危ねぇし
[男の言葉に不思議そうな表情を浮かべた母親だったが、素直に受け止めた様子で頭を下げ
まーくんと呼ばれた少年も相変わらず男を見てぱっぱ ぱっぱと言っていたが、男に手を振って大人しく母親に連れられて行った。
それを見てホッとした男は申し訳程度に手を振り返してあげた、パパではないけど。]