― 帝都より最前線へ ―
[>>157 その言葉には偽りなく――
帝国の奥深くまで公国軍の特殊部隊や工作員が入りこんでいるなどという噂などもあったが、その危機に晒されることなく。旅程は恙無く進行していた]
[馬車が街道に列を成す。そして、護衛の兵士らも。
しかし、寸分の隙もないとはいいきれなかった。
カサンドラは士官用馬車から、外を観察する。
春の訪れを感じる日差しであるにもかかわらず――
田園地帯に、人の手がはいった形跡があまりない]
すっかり寂れたものだ。
このまま事態が推移すれば今年の冬はパンあたりは配給制になるやもしれないな。
[話すべきことは、他にあるだろう。
だが――、ノトカーの前で、魔器のことを口にするのはやはり憚られた]