[珍しく悪態を吐かない様子には首を傾げていた。>>152] ここに、いたらしいんだ。ほんの1年だけ。 丁度大量死が起こる前後に。全部忘れてしまったけど空しさは覚えてる。 あ、これが——……。[高くなる雑草を手で振り払いながら進むなかで、ぽつりと語り。草の切れ間から射した光に目を凝らすと既視感を感じる建物が目に入った。感銘に喉が詰まるのを感じ、しばし魅入られたように立ち止まる。]