[ 王の死が急病であれば
それは直ちに下まで伝えられていただろう
隠し立てるようなことではない。
何らかの事故、何らかの事件。
それらに巻き込まれたことは明らかで。
それを知る手立てが無かっただけ。
暗殺以外にも、当然可能性はあった。
何らかの暴動に巻き込まれた
遠方へ制圧に出て連絡が取れなくなった
不運な事故に遭ってしまった
ただそれらが軍まで伝わっていないだけ。
それでも、目の前の王子の態度は
王の死が「事故ではない」ことを物語っていたから
これも、軽挙妄動なのかもしれない。
さらに言えば、
生命を奪った武器など尚更わからない。
だけど、軍の上層部の動きや街での噂話
そのどれを取っても、王の崩御が
「誰かの手によるもの」は明白で ── *]