[ クレメンス様と別れる前に、ご主人とばったり会ってしまった。>>127
……そうか、クレメンス様は私より先に
ご主人の姿を見つけていたのかもしれない。
だから通信機に返したわけではなかったのかも。
少しだけ、しゅんとした。
もしクレメンス様が私より先にご主人の姿を捉えていたなら
私は奴隷失格ではないか、と。
クレメンス様の身を案じるご主人の姿から>>130
ご主人よりも偉いのだろうかと考える。
しかしそんな事を考えても仕方がない。
ご主人と共に、クレメンス様の姿を見送った。
見えなくなるまで、頭を下げて。 ]*