-オプティモ港:船上-
[丁度アレクシスが船に乗った頃だろうか。
鳩が、アレクシスのもとへと降りて、文を届ける。]
鳩?――――……ふむ。
[>>2:129 差し出し主は先程三百もの兵を引き連れて、プリンのレシピを要求してきたあのソマリ・フル・アレイゼルであった。全く、つい先日は巫女姫に近付いたかと思えば、今度は此方に。
手が早い男である。正直、彼の考えは、アレクシスですら全てを慮る事は出来なかった。
彼は彼で、貴族らしい強欲と、そして好奇心から動いているのだろうと推察する。
訝しげな様子でその封書を開ける。
あの男らしい、堂々たる言葉で、その内容は綴られていた。]
暗殺?
あの、スルジエ領主が、ですか。
[スルジエはシュビドからそう遠くない場所に位置する。
とすると、確かにシュビドに赴いていた巫女姫を討つ事は可能ではあるか。
然し、それにしても、差出人が胡散臭い。
わざわざあの男がアレクシスに手紙を向けるなぞ、魂胆が無い方が可笑しいのだ。よもや、純粋な忠義の念ではなかろう。そんな事くらい、当に悟っている。けれども、]