[ 危ないと言われて止まるくらいなら、最初から飛び出したりはしない。クリフの体が地に落ちる前に、受け止めようと、文字通りの滑り込みを敢行すれば、なんとかクッション程度の役は果たせたか ]
いってえ…
[ 妖獣の爪に裂かれた腹の傷は少々ダメージを受けたが、そこはまあ、相身互といったところだろう ]
あー…大丈夫か?
[ 近づけば彼の右腕の傷を侵す瘴気の気配がして、思わず顔を顰める ]
……霊気換浄。
[ 傷口に手を当てて、浄化の水気を巡らせ、自らの身内に瘴気を取り込む。僅かに瞳が赤く揺らめいたが、すぐにその色は沈んで消えた ]