――回想・医務室への道――
[此処から医務室への道は距離的には然程離れていないはずなのですが、非常に長く感じました。
意識を失った、頭部の大怪我をしたシェルダン先生を運んでいるので、どうしても其方に意識が集中したのもあるでしょう。
もう一つ、私が道中何度かダーフィトを見ていたのは。
怪我や体調の心配も勿論あったのですが。
先程は落ち着き払っていた彼を凄いと思っていたのですが、時が経つに連れ、このような非常事態でも彼は何故こんなにも冷静で居られるのでしょうか。
元々、私の前ではあまり感情を出す方ではなかったのですが。
それは疑いではなく、単純で、純粋な疑問。
ただ、それを聞いてもはぐらかされそうな気がしたので、何も言わず、じっと見つめていたのです。]