[彼に天幕に招き入れられれば、
少し辺りを見回して座る場所を確保する。
人の部屋で勝手に居場所を確保するのに無駄に慣れているのは、
魔女の薫陶の賜物であろう>>1:148
話があると言ってきたくせに、
口を開くまでに少し言葉を捜して迷うような間があった。
ヤコブとの間で、こうして話したことは殆どない。
彼との会話は大抵、さほど友好的とも言えぬ、
短い応酬で終わってしまうのが常だったから]
今後の話を、お前としておいた方がいいと思って。
……、
まさか一人で行けるだとかは思ってはいないだろうけど。
[短い沈黙を挟んで、軽く疑わしい視線を向けながら付け加える]