[その紅に誘われるように手を口に含もうとして、熟れた果実特有の余ったるい匂いが鼻腔を刺激しはっと我に返る。] ……何考えてんだ俺は。 毒されてどうする、しっかりしろ。[自分の行動を恥じるように紅に染まった手はそのままに、必要な分の実を採る。そのまま中庭へと戻れば、その手の異様な風体に驚いただろうか。]―薬草園→中庭―