魔法は、羽根も生え揃わない雛が遊び道具にできるようなものじゃない。舐めていると痛い目を見るぞ。
[ 最後まで、とことん厳しい視線と口調で言い切った教師が、実は前日に赴任したばかりで、クラスを持たないために出迎え役を任されたのだとか、実際は飛行魔法を点数評価する規定などは無いのだとか、そういった事実がリヒャルトに伝わるのは後日の事。
知って抗議されたとしても、男が動じることはなかったが。]
リヒャルト!!加減を考えろと言っただろう!?これは魔法のコントロールを覚える訓練で、限界を測るテストじゃない!
[ 何の因果か陰謀か、結局、最初に受け持つことになったのが、リヒャルトのクラスで、以後毎日のように、教室に響き渡る怒声が名物扱いになるのに日にちはかからなかった。 ]