[デートみたい、と言われると嬉しいような照れくさいような。帽子のつばで彼女の顔が隠れてしまうのを、安心したような、それでいてどこか残念に感じながら。] ………………デート、か。[ふと。先に受け取ったハンカチを思い出し、繋いでいない方の手をポケットへと伸ばす。] あの……これ、洗って返すから。 だから――…。