─ 合流後 ─
[寝台の用意を頼んだ船員の駆けていく背中を、出来る限り急ぎ足で追いかけた先。
ウルの枕元、カナンの姿があるのに気付くとまずは膝をつき、頭を垂れた]
カナン様。
ウルズ・カイエンをここまで運んで下さいましたこと、彼女の八幡への移乗をお許し下さいましたこと、重ねて御礼申し上げます。
それと…
我が父より預かりし蛟を空けてしまったこと、申し訳ございません。
[こちらの礼と謝罪に、ゆるりと頭を振られ気にするな>>128と言われ。
顔を上げることで見えた皇子の表情は、どこか今までよりも柔らかに思えた。
此処まで運んでくれた事も含め、変化したと感じるのはウルと接したからだろうか。
そんなことを思いながら、問いかけはせず。
ありがとうございましたと礼を言って、この場を離れるカナンを見送った]