――…ええ、そうね? きっと、後にも先にも。…貴方一人だけよ。[芝居がかった仕草を大真面目に、傲慢に眼前でやってのける男。こんな不遜な男は唯一人だと、囁く声はひそりと擦れる。剣を翳す姿は、相対すれば、蝶を介して窺い見るより遙かに潔い。迷いなく駆ける脚、闇にも高らかに響き渡る冴えた声]