陛下はリンデマンスの国王であられますから、身代金は一国の王に相応しい額でなければ失礼に当たるかと思料致します。
もしも、軽い身代金で解放されたなどと他の連邦諸国に知れれば、陛下の御身の価値そのもの、引いてはリンデマンスの国としての価値が低く見られる懸念すらあります。
[ 指摘するのは、この戦が決着した後のリンデマンスの立場についての問題。ただで返さぬのはそれなりの理由あっての事だという説明でもある。 ]
かといって、過分の負担をリンデマンスの国民に強いるような高額の身代金は後に両国の関係に禍根を残しましょう。ですから、身代金は相応の価値あるものを、国民の負担が薄い形で頂きたいと思います。
具体的には、リンデマンスで最も価値あるもの、それは特産である野菜や穀物。それを王の身代金に相応しい額に相当する量、マルールにお渡し頂きたい。
ただし、それだけの額に相当する作物を一度に揃えて収めることは無理があるでしょう。
故に、マルールとティルカンの国交樹立後、数年に分けての支払いをお願いしたいと思います。
無論、豊作の年、凶作の年により、量の増減があっても構いません。