―Nルーム―
[空いた装置の中にベルティルデを寝かせ、
その顔に残った血を残さずに拭っておいた。
装置の数は多いが、蓋の閉まっているものは多くない。
どこかに、『ドロシー』も眠っているのかもしれない。
――それを確認する余力は、なかったが。]
お前はさ。人が良すぎたんだよ。
どうせ…誰かの為に
だから――あれほど…。
[くれぐれも、気を付けろと言ったのに。>>1:330
掠れた声で言ったって、もう当人には届きはしないのだ。
ダーフィトは暫くの間、柩に眠る後輩の顔を見つめていたが
双眸を眇めると、血の気を失って白いその頬へ顔を近づけ、]
……。 おやすみ、ベル。
[一言を最後に、冷たい柩の蓋を静かに降ろした。*]