ギィ様へは私が直接伝える。
[そう言って、伝令の早馬の準備にとりかかったのを見届ければ。
自身の手勢に迅速に命令を伝える]
弓隊、それに魔法部隊よ。ようやく、お前たちの腕を振るってもらう刻が来た。
お前たちは身を隠しつつ、カトワールへ移動。
ハールトから陸路でカトワールへ攻め上がる者達があれば、弓による攻撃で戦力を削いだ後、位置を悟られる前にすぐに隠れなおせ。
魔法部隊は霧を起こして弓隊の身を隠し、植物による罠を用いて連中の足止めをせよ。気を取られているうちに弓隊で迎撃。
損害を与えることも重要だが、お前たちに生き延びてもらうことの方が肝要だ。それと、出来れば勢力の大きさは隠せ。
竜対策として編み上げた、〈石槍〉の魔法はまだ敵に見せるな。あれがあることを知れては、竜を堕とすのに差し障りがある。
……伝わったな。
ならば、行動を開始せよ!
[クレステッドの鋭い号令を契機に、兵が、状況が、動き出した]